【組み込みエンジニアの勉強】メカ/機構にも興味を持って理解を深めよう

こんにちは、組み込みエンジニアのtomozoです。

 

今回は組み組エンジニアが理解すべきことの一つ

「メカ/機構」について紹介します。

 

この記事は

組み込みエンジニアになって間もない人

組み込みエンジニアになって数年目の人

向けの記事です。

 

組み込みエンジニアになった最近の若い人の特徴を見ていると

メカに詳しい人は少ないかなと感じます。

 

組み込みエンジニアになった人は、

プログラムが好きもしくは得意で

さらに形のあるモノ作りがしたいという理由から

就職・職種を選ばれたことでしょう。

 

モノ作りにメカは必須なので、

メカも分かる組み込みエンジニアは貴重な存在です。

若いうちから興味を持って少しずつ詳しくなっていきましょう。

 

自分の可能性を広げスキルアップできるチャンスがあるのに、

知らないままでは損しますからね。

 

この記事を読めば

  • メカ・機械設計の仕事と必要なスキル
  • 組み込みエンジニアが理解すべきこと
  • 取り組み方

が分かるようになります。

 

それでは解説を始めます。

 

メカ/機械設計とは

メカ/機械設計とは組み込み機器の動作・メカニズムの設計をすることです。

 

例えば、

車ならパワーウインドウをどのような機構にしてどう制御するかなど

非常に多くのメカニズムが詰め込まれていて、

これらを一つずつ問題なく動作させています。

 

機械設計の大まかな流れは以下の通りです。

  1. 頭の中でアイデアをイメージして、手書き(ポンチ絵)などで構想設計
  2. CAD/CAEというツールでモデルを作成(モデリング)
  3. メカ部品図面を書く(製図)
  4. 試作・組み立て
  5. テストして品質を上げる
  6. 3~5を繰り返し、課題がなくなれば製品化

この他にも、

  • モーターなどデバイス選定
  • 各機構の制御方法を考える
  • 設計書作成

なども行います。

 

このように、メカ設計はやるべきことが多く

物理的な試作物もあるので手間と時間がかかる仕事です。

ソフトウェアだったらコーディングしたあと、コンパイルして

実行するとすぐに結果が分かりますから大きな違いです。

 

組み込みエンジニアの最近の仕事も複雑で高度化していて

開発工数は増えていますが、組み込み製品の開発期間

を左右するのはメカ設計にかかる期間といってもいいくらいです。

 

機械設計に必要なスキルを知る

機械設計には以下の4つの力学の理解が必要と言われています。

  • 構造力学
  • 材料力学
  • 熱力学
  • 流体力学

組み込みエンジニアが機械設計の専門知識を使って設計することは少ないですが、

知識があればメカニズム設計に対して構造的にこうしたほうがいいとかアドバイス

できたり貢献できます。

 

浅い知識ではプロのメカ設計者に意見を言うことは難しいですが、

言葉の意味・理論が分かっていれば、開発中の機械で

課題が発生した時にチーム内の技術的な議論に参加できます

チームで議論している時に何も言えないと自分自身楽しくないですし、

ソフト屋の素人的な発想が解決のヒントになったりすることも時々あります。

 

組み込みエンジニアの方でも学校によってはプログラミングだけでなく

力学(物理学)を勉強した方もいるのではないでしょうか?

 

まずは各力学の簡単な入門レベルの知識から本を読んだりして

若いうちに身に付けておくことをおすすめします。

tomozo

逆にメカ設計者でプログラミングもできる人もいますよ!

 

メカ/機構の設計は難しい

説明してきたように、メカ/機構の設計は非常に奥が深くて難しいものです。

私の経験でメカが特に難しいと感じる点は以下の3点です。

  • 覚えることが多い
  • 教えられてできるものではない
  • ハード・制御の知識も必要
  • アナログな世界

覚えることが多い

メカ設計は覚えることが非常に多いです。

上述の力学4つに加えて、機構・材料・加工技術・生産・組立

などの知識も必要です。

すべて完全に理解し覚えているメカエンジニアは少ないです。

経験を経て覚えていくところもあるので、ベテランエンジニア

のほうが多くのことを知っていますね。

 

ソフトの場合、新しい技術がどんどんでてくるので

若いエンジニアのほうが新しいことを知っていることも多いので

メカとは違うように感じます。

教えられてできるものではない

実践的なメカ設計は一朝一夕で身に付く技術ではないし、

教えられてできるものではありません。

基本知識や製図技術などは勉強すれば身に付きますが、

実際の設計となると実践経験とセンス・発想力が必要です。

ハード・制御の知識も必要

メカ設計者はメカニズム(機械・機構)とエレクロトニクス(電気・制御)

を融合したメカトロニクス(通称メカトロ)をよく知っていないとできませんし、

それを正しく組み込みエンジニアに伝えなくてはいけません。

アナログな世界

ソフト屋のデジタルな0/1の世界と違い、

メカはシビアな調整や位置関係、周辺環境などアナログな条件によって

性能が決まることもよくあるので非常に難しいです。

 

tomozo

私自身、新卒の時はメカを専門とするという選択肢もあったのですが、選んでいたらソフト屋のように何十年も続いていなかったかもしれません

 

メカ/機械に興味を持つ

以上メカについて色々説明してきましたが、

メカについて興味を持って理解しようとする

気持ちを持つことが何より大事です

 

組み込みエンジニアがメカを理解するメリットは以下が挙げられます。

  • 自分がつくっているという気持ちになり設計が楽しくなる

言われたとおりのプログラムを作ってもやりがいが感じられない

  • スキルアップできる

昇給や転職に有利になる

 

tomozo

必要だって言われても興味がないとやる気なんておきませんからね

プログラミングは好きだけどメカには興味がない、持てないというのであれば

組み込みエンジニアよりほかのプログラマー職のほうが向いているかもしれません。

 

メカの勉強・参考になるものは周りにたくさんあるので、

普段身の回りのものがどう動いているのかどうやって作られているのか

考えるようにするだけでも効果があります。

 

理解したことが小学生やお年寄りに

説明できるレベルなら十分理解でていると言えます。

簡単な例だと

・ゼンマイを使ったチョロQの仕組み?

・モーターの回転運動を直線運動に変えるにはどうしたらいい?

が説明できますか?

 

答えは下記のYouTubeで説明されている動画が分かりやすかったので気になる方はご覧ください。

 

組み込みプログラマーがメカの専門知識まで理解するのは大変ですが、

自分が動かすモノは理解していくようにしましょう。

そうやって経験・知識を広げることで組み込みエンジニアとして成長して

ソフトだけからソフト + メカという

貴重な存在になっていけます。

 

勉強方法

メカ設計の大変さや大事なことは分かったけど

何から手を付けたら分からないですよね。

 

おすすめは、実際にソフト設計する機器

に使われているメカ技術や部品について

本で学習することです。

実際に生きた勉強ができますし、分からないことがあれば

設計したメカエンジニアに聞くことができ理解を深めることができます。

こういったトコトンやさいいシリーズは分かりやすいので入門にはお勧めです。


 

tomozo

若い組み込みエンジニアだと簡単なことでも聞きやすいですし丁寧に教えてもらえますからね

 

少しずつ知識と経験が増えてきたり、もっと体系的に勉強したいと感じたら

資格試験やセミナーなども考えましょう。

 

例えば、機械設計技術者試験3級であれば

内容は大学で学ぶこと中心で受験資格もないので誰でも受験できます。

受験しなくても参考書を読んで勉強するだけでも、

メカ設計の基礎的な知識が身に付きます。

どうせ勉強なら合格目指して受験したほうが気合が入ります。

 

組み込みエンジニアなのに機械設計技術者の資格持ってるって

なんかかっこよくないですか?

 

セミナーだったら、ポリテクセンターという公的な施設のセミナー

があります。

開催日時は平日昼間がほとんどなので

就職していると難しいかもしれませんが、

上司に掛け合うか有給を取って自費参加するかになります。

公的なセミナーなので民間の物に比べると

社会人セミナーとしては破格の値段で受講することができます。

 

特にこれについて知りたいというのがある場合は

ネットや動画で検索すれば手軽に学べますね。

 

まとめ

メカ/機械設計とは組み込み機器の動作・メカニズムの設計をすること

機械設計には以下の4つの力学の理解が必要

  1. 構造力学
  2. 材料力学
  3. 熱力学
  4. 流体力学

メカ/機構の設計の難しいところ3点

  1. 教えられてできるものではない
  2. ハード・制御の知識も必要
  3. アナログな世界

組み込みエンジニアも普段からメカへの興味を持とう

理解できるメリット

  • 設計が楽しくなる
  • スキルアップできる

勉強方法

  • 本で学習(トコトンやさしいシリーズ)
  • メカ設計者に聞く
  • 資格取得を目指す(機械設計技術者試験3級)
  • セミナー受講(ポリテクセンター)

 

今回は組み込みエンジニアにとってのメカ/機構について紹介しました。

メカニカルなことも理解できると、

自分で作りたいと思うものが実現できるようになり

組み込みエンジニアとしての幅が非常に広がります

今回の記事が参考になれば嬉しいです。

一言でも感想やコメントいただけると励みになります。

 

こちらの記事で組み込みエンジニアが勉強すべきことについてまとめているので

興味があればご覧ください。

組み込み系の勉強まとめ【必修】ソフトエンジニアとして学ぶべきこと

 

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