ソニーの開発18カ条/現役組み込みエンジニアが解説【若手エンジニア必見】

こんにちは、

現役組み込みエンジニア歴20年以上のtomozoです。

 

今回は、

ソニーの開発18カ条について

組み込みエンジニア目線で解説します。

 

この記事は

モノづくりの心得を知りたい若手エンジニア

向けの記事です。

 

モノづくりは毎日忙しくて、

目の前の仕事だけに夢中になってしまうことがよくあります。

エンジニアは自分の手でモノを作って

動かすのが好きなので、

難しい理念や信条って二の次になりがちです。

 

しかし、趣味ではなく仕事として取り組む

モノづくりには理念や信条というのは必要です。

なぜなら、チームで同じ目標に向かって進むのに

個人プレーでは上手く回らないことがあるからです。

 

例えば、とにかく速い車を作りたい人と

とにかく安い車を作りたいという人が

一緒に仕事をすると方向性が違うために

チームは混乱します。

そこで会社や組織・チームには理念・方針があるのです。

 

この記事を読めば

ソニーの開発18カ条について

分かるようになります。

 

それでは早速解説を始めます。

 

目次

ソニーの18カ条とは

ソニーの18カ条というのはウォークマンの開発に携わった

大曽根幸三氏の開発チームで提唱されたものです。

 

私は「超・箇条書き」という本で紹介されているのをたまたま

見かけて知りました。

「超・箇条書き」意識して取り入れたいこと3選【伝えるのが苦手な人必見】

 

一つ一つがモノづくりをする人にとって

心にとめておきたいことばかりなので

一つずつ紹介していきます。

 

第1条:客の欲しがっているものではなく客のためになるものをつくれ。

お客様が欲しがっているものは、誰かが作ることができます。

よくマーケティングで「ドリルではなく穴を売れ」と言われます。

本当にお客様に必要な物が何であるか、作り手が考えて

モノ作りをすることが必要になります。

 

スマホであれば、スマホが欲しいのではなく

スマホでできるゲームなりコミュニケーションなりの

体験が欲しいという考え方です。

第2条:客の目線ではなく自分の目線でモノをつくれ。

意見が分かれそうですが、自分の目線でつくると

お客様の期待を超えたものができる可能性があります。

お客様目線にすると普通に想像できる範囲の

無難なモノになりがちです。

未知の新しいものなどはお客様の目線ってまだないですからね。

第3条:サイズやコストは可能性で決めるな。必要性・必然性で決めろ。

これくらいの金額でこれくらいのサイズでつくれるかなって

考えて開発を始めるとだいたいその付近になります。

これでなければならないって無理なレベルから始めることで

限界を超えたモノ作りができるというわけです。

第4条:市場は成熟しているかもしれないが商品は成熟などしていない。

市場成熟してるし、新しい物なんてできっこないって考えてはいけません。

例えば、電話だってスマートフォンができて一気に変わったし、

車も電気自動車ができて時代が変わろうとしています。

常に世界のどこかで新しい商品が考えられています

tomozo

私自身耳が痛い言葉です

第5条:できない理由はできることの証拠だ。できない理由を解決すればよい。

私もそうですが、すぐにできない理由をいう人はたくさんいます。

できない理由を考えるのは簡単だし、モノ作りが簡単で楽な道になるからです。

しかし、そういう気持ちで作った商品は面白くないし

お客様に受け入れてもらえません。

できないと思える困難な道を乗り越えた先に

ヒット作が生まれます。

第6条:よいものを安く、より新しいものを早く。

これは分かりやすいですね。

安く、早く。消費者としては嬉しいことです。

ただ最近はいい物なら高くても売れる時代に変わってきている気がします。

例えば車でも、レクサスやトヨタの高級車もそこそこ売れていますね。

第7条:商品の弱点を解決すると新しい市場が生まれ、利点を改良すると今ある市場が広がる。

すでにエンジニアでモノ作りをしている人なら

自分が作っている商品の弱点と利点は分かっているでしょう。

もし分かっていなければそこを徹底的に調べて考えてみる。

それを繰り返すことでより良い商品になっていきます。

第8条:絞った知恵の量だけ付加価値が得られる。

どんなことでも考え抜かないといけないのがエンジニアです。

適当に浅く考えて作ったモノは必ず欠陥や問題が生まれます。

考えるのは辛くしんどい時もありますが、

課題を解決した時の喜びも大きいです。

 

例えば、再現性が低く原因がなかなか分からないバグ。

この原因が分かった時はすごくうれしい気分になれます。

エンジニアはこの繰り返しですね。

第9条:企画の知恵に勝るコストダウンはない。

コストって企画の段階で決まります。

これくらいの機能を盛り込んだこんな商品って企画しますね。

企画・構想の段階で煮詰めておかないと

見切り発車で開発を始めると後になるほどコストダウンは難しくなります。

第10条:後発での失敗は再起不能と思え。

後発で同じようなモノを出す時は

見本となるものがあるわけですから

それを超えないといけません。

まして失敗しているようでは再起不能というわけです。

厳しい世界ですね。

第11条:ものが売れないのは高いか悪いのかのどちらかだ。

良いもの、安い物は売れる。

当たり前のことですが、

いつの時代でも消費者は厳しい目で見ています。

第12条:新しい種(商品)は育つ畑に蒔け。

ニーズがない(育たない)畑にいくら

新しい商品を投入しても買って使ってくれる

人がいなければ意味がありません。

ビジネスである以上、しっかりと見極めて

開発しないとムダなモノを作って終わりになります。

第13条:他社の動きを気にし始めるのは負けの始まりだ。

他社の動きや商品って気になりますが、

気にしたらいけないということですね。

自分を信じて突き進んだ先に勝ちがあるということですね。

第14条:可能と困難は可能のうち。

不可能でなければ可能という意味ととらえます。

困難だからできないのではなく、

困難を乗り越える方法を考えて

達成した先に良いモノが生まれます。

第15条:無謀はいけないが多少の無理はさせろ、無理を通せば、発想が変わる。

無理をせずに無難に作ったモノは

普通の売れない商品です。

無理と思えることに挑戦しないと、

アイデアは生まれません。

第16条:新しい技術は、必ず次の技術によって置き換わる宿命を持っている。それをまた自分の手でやってこそ技術屋冥利に尽きる。自分がやらなければ他社がやるだけのこと。商品のコストもまったく同じ。

常に技術革新が起きていて、

スピードはどんどん早くなっています。

10年、5年、最近は数年で新しいものが出てきます。

例えばスマホは10年前は最先端で高価なモノでしたが

今は1人1台持っているものです。

今後も電気自動車、VR、NFTなど新しいものが次々と

普及していくでしょう。

第17条:市場は調査するものではなく創造するものだ。世界初の商品を出すのに、調査のしようがないし、調査してもあてにならない。

しっかり市場を調査して、必要とされているもの

売れるものを考えて開発するなんてことは

今の時代には通用しません。

モノはあふれており、無くて困っていることなんて

そうそう簡単に見つかりませんからね。

全く未知の世界初のモノは一部の天才が考え付くものですが、

組み合わせることで今までにない世界初のモノがつくられています。

第18条:不幸にして意気地のない上司についたときは新しいアイデアは上司に黙って、まず、ものをつくれ。

上司は失敗すると自分の責任になるので

尖ったアイデアも無難なアイデアに着地させようとしがちです。

部下の挑戦は大損害にならないことなら

挑戦させるくらいの上司であれば幸せです。

上司の許可なく新しいモノを作るのは難しいかもしれませんが

分かって力になってくれる人は必ずいます。

意気地のない上司しかいない環境なら環境から変えたほうがいいかもしれません。

 

大曽根幸三氏

18カ条を提唱された大曽根幸三氏の経歴について紹介します。

  • 1933年 生まれ
  • 1956年 日本大学工学部卒業、ミランダカメラ入社
  • 1961年 ソニー中途入社
  • 1989年 常務
  • 1990年 専務
  • 1994年 副社長
  • 2000年 アイワ会長

オーディオの技術畑から出世されていかれた方です。

 

(余談)ウォークマンとは

ウォークマンって今の若い方だと知らないのではないでしょうか。

 

今はスマホやMP3プレーヤーで音楽を聴くのが

普通ですが、1980年代頃はCDやカセットテープから

カセットテープにダビングし、そのカセットテープを

ウォークマンにセットして音楽を聴いていました。

 

tomozo

当時は多くの人が持っていて、おしゃれで憧れの商品だったんですよ

感想

私の長いエンジニア経験から感じたことを

解釈してみました。

作られたのはかなり前と思いますが、

現在でも通用する言葉で、

机など見えるところに貼っておきたい言葉ばかりです。

 

私は平凡な普通のエンジニアですが、

こういった言葉を読んで考えるだけでも

気持ちを新たにすることができます。

 

ぜひ自分の組織・チームの理念や信条を考えたり

話し合ったりしてみてください。

 

まとめ

ソニーの開発18カ条とは

  • ウォークマン開発に携わった大曽根氏のチームで生まれたもの
  • 研究・開発エンジニアにとって心にとどめておきたい言葉
  • お客様の事考えて、困難を乗り越え、ないモノを作る

 

たまたま本を読んでいて、いい言葉を知る機会が持てました。

本はお金がかからず、知らないことを知ることができる最高の教材です。

本を読む人は少ないのでそれだけでも人より成長することができます。

 

このサイトでは組み込みエンジニアについて

徹底解説しています。

ぜひ一度読んでみてください。

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