ピーター・センゲ著「学習する組織」の3つの要点【学習する組織とは】

こんにちは、組み込みエンジニアのtomozoです。

 

今回は、現役エンジニア目線で

ピーター・センゲ著「学習する組織」

を読んだので解説と感想を紹介します。



この記事は、

  • 「学習する組織」を買ってみようかなと考えている人
  • 組織を変える方法について知りたい人

向けの内容です。

 

「学習する組織」って聞きなれない言葉ですよね。

私はちょうど「良い会社・良い組織」って何だろうって

考えていてこの本を手に取って読んでみました。

 

経営者でなければ、真剣に組織について考えることはありません。

管理者であっても部下の管理や経営者から任された

仕事はやりますが自ら組織を変えたりといったことは

よほどの気概がないとやる人はいません

ベンチャー企業などこれから形成される組織で働く人であれば

良い組織を自分たちで創っていけますが、

歴史ある組織で働く人にとっては変わることはなかなか無いでしょう。

 

私は経営者ではありませんが、こういった組織であればいいな

ということをこの本から学ぶことができました。

人と組織を変えることは非常に困難ですが、

少しでも変えるための行動ができればと思うようになりました。

 

この記事を読めば

  • 「学習する組織」にとは何か
  • 普段意識すべきこと

が分かるようになります。

 

それでは紹介を始めます。

 

「学習する組織」ってどんな本?

まずは、「学習する組織」の本について説明します。

 

作者はピーター・センゲという人です。

この本で紹介されている「学習する組織」という考えは、

1970年代にクリス・アージリス(ハーバード大学教授)が提唱されたものを、

1990年にあたらめてピーター・センゲ(MITマサチューセッツ工科大学の経営学者)が

提唱した概念です。

 

すごく分厚いハードカバーの本で581ページ、

価格は3,500円+税となっています。

tomozo

比較的高額な本ですが、読み応えは十分あったので買ってよかったですよ

 

 

「学習する組織」とは

学習する組織とは、この本では以下のように説明されています。

  • 目的を達成する能力を効果的に伸ばし続けられる組織
  • 唯一完全の姿があるわけではない
  • 環境変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続けられる組織

会社と自分が目標に向かって成長し続けていると感じられる組織ってことですね。

tomozo

理想的だと思いませんか?

社会人になるまでは、受験・就職という周りから強制的に与えられた使命があり

多くの人が勉強して希望するところに進んでいこうとします。

しかし、社会人になると自分のことでさえ目標をもって成長し続けることが

できている人は少なくなってきます

 

まして会社や組織の目標なんて入社試験の時は覚えていたとしても

多忙な毎日を送る中でだんだんと目の前の仕事をこなすことで

精一杯になり忘れていってしまいます。

 

学習する組織であれば、こういった状況に陥らずにすむので

実現できればすごくいい組織になります。

 

3つの要点

私がこの本を読んで勉強になったと思うことろはたくさんあったのですが、

今回は以下の3つに絞って紹介します。

  • ビールゲーム
  • 5つのディシプリン
  • ビジョンを共有する

 

一つずつ分かりやすく解説します。

ビールゲーム

この本で紹介されているビールゲームという話の流れです。

 

ある時、流行によってビールがいっぱい売れる

小売店は品切れ

卸売り業者に発注量を増やす

卸売業者はメーカーにいつもの量を手配

メーカーはずっと同じ量を生産出荷し続ける

消費者は買えない

小売店は発注量をさらに増やす

卸売業者はメーカーに手配量を増やす

メーカーはずっと同じ量を生産出荷し続ける

消費者は買えない

小売店は発注量をさらに増やす

卸売業者はメーカーに手配量を増やしたまま

メーカーは工場設備を増強して生産量を増やす

消費者は買える

小売店は発注量を増やしたまま(入荷増)

卸売業者はメーカーに手配量を増やしたまま

メーカーは工場設備を増強して生産量を増やしたまま

消費者はビールに飽き始める

小売店は発注量を減らす(入荷量 > 販売量)

卸売業者はメーカーに手配量を増やしたまま

メーカーは工場設備を増強して生産量を増やしたまま

流行前の販売量に戻る

小売店は発注量をさらに減らす(入荷増)

卸売業者はメーカーに手配量を減らす

メーカーは工場設備を増強して生産量を増やしたまま

 

要するに

小売店は消費者のために最善を尽くしたけれど、

発注しても時差があるのですぐに入荷せず、

消費者は欲しい時に買えないし、

小売店も在庫を大量に抱える結果となり

個人や自分のところだけ最善を尽くしても全体(組織)としては最善とは限らない

という話です。

 

現在の商流はコンピュータでシステム化されているので

このように感覚的なものだけでなく単純ではないでしょう。

 

言われてみれば当たり前と思いますが、

今まで仕事で意識できていなかったので

具体的ですごく腹落ちする内容でした。

 

例えば、鬼滅の刃のグッズやswitchなど流行時は品切れするけど、

気づいたら店頭に溢れて、少し時間が経てば

リサイクルショップや売買サイトでも大量におかれるようになりますね。

 

本の紹介だけでは面白くないので、

エンジニアの仕事で考えてみます。

 

組み込みエンジニアなど開発者はじっくりと時間をかけて

一番いいものを作りたいと考えます。

例えば、車ならF1カーや空飛ぶ車を作ってみたいという夢かもしれません。

そこまでいかなくても、いろんな機能を入れたものを作りたいものです。

しかし買い手は欲しいわけではないから売れません。

そうなると営業は困るし、会社の売り上げは上がらないです。

 

現在の日本で売れる車は軽自動車やコンパクトカーが中心となっています。

車がそればかりになったら、車好きの人は買いたいと思いません。

エンジニアだって作りたいものと違うので妥協した開発をすることになり楽しくなくなる。

だれもハッピーにならないストーリーです。

 

不確実でかなりの早さで流行が移り変わり変化の予測が難しくなっています。

ハイブリッドカーやディーゼルエンジンが流行し、次は電気自動車と言われています。

予測が難しければ変化に早く対応できる組織

「学習する組織」でなければいけないという話です。

 

5つのディシプリン

この本ではディシプリンという単語が頻繁に出てくるのですが、

ディシプリンというのは学習領域のこと

以下の5つのディシプリンが必要だと解説しています。

  • システム思考
  • 自己実現(マスタリー)
  • メンタルモデル
  • 共有ビジョン
  • チーム学習

システム思考

上述のビールゲームの例のようにシステム全体を見ようということです。

日本語では木(各々の事象)を見て森(システム全体)を見ずと言われますが

全体を俯瞰して見る力をつけなければいけません。

自己実現

組織の一人一人が自分の目標に向かって、実現・達成するために

行動しましょうということです。

メンタルモデル

私たち一人ひとり頭の中に、固定概念(メンタルモデル)を持っています。

それを理解し変える努力をしなければ変化することができません。

tomozo

なかなか固定概念は年を取るほど変えるのが難しくなりますね。

共有ビジョン

組織には目標や理念といったものが存在します。

あなたの組織にもきっとあります。

しっかりと共有ビジョンをもって、

組織みんなで理解しなければいけないということです。

チーム学習

組織には一人ではなく何人ものメンバーがいます。

メンバー同士で協力しながらが学習を深めようということです。

一人でやるよりメンバーで助け合いながら学習を進めたほうが、

組織や各メンバーが大きく成長します。

ビジョンを共有する

3つの要点のなかでも私が一番大事だと感じたところです。

ビジョンを持つ重要性は以前から知っていましたが、

ビジョンを組織の一人一人が心から望む状態、

必要ならば「法」(構造)をも編み出すというコミットメントの状態

が理想的だと書かれています。

 

なかなかここまでの状態になっている方はトップの経営層以外だと

少ないのではないでしょうか?

 

一般社員レベルであれば嫌々であったり形だけの追従という人が多いです。

 

野球やサッカーなどプロスポーツの世界では

「優勝」「勝利」「世界一」というビジョン

に向かって一体感を持って行動しています。

 

しかし会社員は会社のビジョン達成のためにと思って

行動していません。

自分の生活や趣味で必要な給料のために仕事をする、

それがが当たり前でそれ以上でもそれ以下でもないというのでは

高いビジョン・志をもって行動することができません。

 

なかなかその境地に立つのは難しいですが、

ビジョンを作った人は、浸透するまで布教しなければ始まりません。

 

tomozo

あなたは会社の理念・ビジョンを心から望んでいますか?

 

感想

かなり内容が濃くて、一回読んだだけでは理解できないところもありましたが

この記事を書きながら、再読して理解を深めることができました。

手元に置いておいて、組織の停滞感や変化が必要と感じた時に

読み返したくなる本です。

少し古い本ですが、実績のある本であることは納得できました。

3500円という比較的高額な部類に入りますが、その分の価値は十分にありました。

 

読み手が一般社員、中間管理職、上級管理職、経営者

でとらえ方は変わると思います。

入社数年の一般社員が読んでも心に響かないかもしれません。

エンジニアは興味がない分野かもしれないが、中間管理職(リーダー)

以上の人は知っておくべき内容です。

立場が変わって考え方が変わった時に読み返すと新たな気づきがあるでしょう。

 

特に会社のビジョン・自分のビジョンをもたないといけないと感じました。

tomozo

あなたは自分のビジョンを持っていますか?

 

まとめ

学習する組織とは

  • 目的を達成する能力を効果的に伸ばし続けられる組織
  • 唯一完全の姿があるわけではない
  • 環境変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続けられる組織

3つの要点

  • ビールゲーム
  • 5つのディシプリン
  • ビジョンを共有する

 

今回の記事だけでは全然説明不十分であり、

個人的な解釈が入っていることはご理解・ご了承願います。

是非買って考えながら読んでみて欲しい本です。



読んでみて後悔するならまだ読むレベルに達していないか、

すでに学習する組織を備えた経営者の方でしょう。

知っているけど実践していないのでは、知らないのと同じです。

読んで一つでも実践して活かしていただくことを願います。

 

こちらのサイトでは、

今回紹介した学習に関する内容のほかに

組み込みエンジニアについてや

学校や他の人が教えてくれない

資産運用についても紹介しています。

興味がある人は読んでみてもらえると嬉しいです。

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